情報発信

%e6%83%85%e5%a0%b1%e7%99%ba%e4%bf%a1

2023.07.20   情報発信

2023年度厚労省概算要求からトレンドを読む

来年度の重点施策

来年度の厚生労働省の予算に関する概算要求資料によると、「成長と分配の好循環に向けた『人への投資』」が重要な施策の一つとされています。新しい資本主義の実現に向け、2024年度までの3年間に約4,000億円の予算を使い、さまざまな取り組みを行います。具体的には、デジタル分野などでの人材育成や社会全体での学び直しの促進、円滑な労働移動を支援するための環境整備などが重要な方向性とされています。

つまり、パンデミックによる社会の変化に対応するために、学び直す人を支援し、デジタル分野などで必要な人材を育成することに投資しながら、人材の流動性を高めて成長していくという方針です。

 

教育・育成

人への投資の一環として、教育や育成に対する予算が1,101億円(前年度は1,019億円)に計上されています。具体的には、以下のような助成金の検討が行われています。来年度もキャリアアップ助成金の正社員化コースは継続される予定です。
・人材開発支援助成金→デジタル人材等の育成推進
キャリアアップ助成金→正社員化の推進
・特定求職者雇用開発助成金による成長分野への労働移動の円滑支援等
・産業雇用安定助成金による在籍型出向を活用したスキルアップ支援の新設
・学び直しを後押しするキャリアコンサルティング機能を拡充したキャリア形成・学び直し支援センター(仮称)の整備
・受講者の特性に対応した新たな教育訓練手法のコンテスト方式による選定、開発・試行
・専門実践教育訓練給付の充実及び支援の拡充

雇用の流動性

円滑な労働移動や人材確保の支援として、予算524億円(前年度は460億円)が計上されています。具体的な内容は以下の通りですが、詳細を見ると、雇用の流動性を高める取り組みは進められているものの、解雇規制の緩和などはまだ時間がかかる見込みです
・介護の仕事の魅力発信、介護分野における外国人材の受入環境整える
・産業雇用安定助成金による在籍型出向を活用したスキルアップ支援の新設
・資格取得コースや企業実習付きコースの委託費等の上乗せによるデジタル分野の職業訓練コースの設定等の推進
・ハローワーク専門窓口(人材確保対策コーナー)での就職支援の強化
・都市部から地方への移住を伴う地域を超えた再就職等への支援

多様な人材の活躍促進

全ての方々が自身の意欲や能力を最大限に発揮し、活躍できるような環境を整えるため、女性の活躍を促進し、高齢者の就労や社会参加を支援し、就職氷河期世代の方々の活躍をサポートするなど、様々な取り組みを行っています。
・女性の活躍促進
・就職氷河期世代、若年者・新規学卒者の支援
・高齢者の就労・社会参加の促進
・外国人に対する支援
・ハローワークにおける生涯現役支援窓口などのマッチングの支援
・中小企業をはじめとした障害者の雇入れ等の支援
・シルバー人材センターのデジタル化等の運営基盤の強化による地域の多様な就業機会の確保及び提供等

ページトップへ矢印